プロジェクト事例

国内最大級の物流施設開発
流山プロジェクトを率いる
エキスパート

千葉県「流山IC」至近に大規模な物流施設建設計画が立ち上がった。その設計監理者として白羽の矢が立ったのが、意匠・設備・構造・建築からなるF&P技術チーム。
長い年月をかけて建設される大規模案件「流山プロジェクト」の最前線に立つ彼らの仕事とは。

流山ICから2.7kmに位置。都心へ25km圏内という立地を活かした都心向け配送から東日本全域への配送まで、幅広いエリアをカバー可能な物流拠点となる。子育て支援型物流施設というコンセプトのもと、テナント従業員用の保育施設やコンビニを完備。
免震システムや非常用発電機を設置するなどBCPにも配慮する。

不利な状況を逆手に取り開発を街づくりの一助に

流山IC付近に集まる倉庫群。大和ハウス工業が建設するⅠ~Ⅳに分かれた物流施設は2015年頃に計画が発足した。当社も各棟の開発段階から一翼を担っており、2020年秋現在は4棟目の着工に向け計画を進めている。
以前のIC周辺は水田地帯が広がり、建築の高さ制限10mなど業務用途での建物の建設には向かない土地利用方針の地域だったが、流山市の都市マスタープランの方針変更に合わせて幾度となく協議を重ね、市からの要望はもちろん治水計画の一部を開発に組み込みなど一帯の街づくりを提案した。
そうした努力が実り、物流施設に不向きな土地から一転、都市計画マスタープランや景観計画の変更により制限が緩和され、それを皮切りに流山IC一帯が物流センター地区として開発されていき、現在に至る。

知識と経験を携え当社最大の物流施設づくりに挑む

Ⅰ~Ⅳ棟のなかでもひと際大きな「流山Ⅳ」は国内最大級の延床9万坪超、これまで数々の物流施設に携わったF&Pでも過去にない規模となる。Ⅳの構造を担当する湯川は「必要なものが多ければ、それだけ確認するものも多い」と言い、「強度を上げるために地盤に杭を打つ作業だけでも半年はかかっていると思う」と話した。その数761本だそうだ。また、プレキャストコンクリート造を採用しているため現場での確認と並行し、工場でこれから作る部材の図面もチェックする必要があり、日々大量に届く図面の細かな数値とのにらみ合いだと言う。設備担当の平は、「大きい分、電力供給や弱電設備なども普通の規模では使わないようなシステムを導入している」と話す。また、「LEEDゴールド認証を取得するために、昼光センサーで日中自動消灯する照明の設置や雨水をトイレで再利用する仕様にしたのも特徴」と語り、規模に関わらず設備設計者としてお客様の高い要望に応えていた。
意匠設計担当の栗原は「大規模で関わる人の数が多いからこそ、足並みを揃えて動くことが大事。建物は大きくてもミリ単位の話をしなければならないし、お客様の要望は様々。自分は間でみんなと意見交換をし合う役目」と話した。急なプラン変更は往々にしてあり、現場で細かな詰めを行いながら各方面とも調整を行わなければならない。そこにはひと口には言い表せない陰の苦労があるようだ。
Ⅳの竣工は2021年10月。完成までの約2年2か月間、休まず動き続ける現場では、それぞれの精鋭たちが日々奮闘しながら大規模物流施設を築いている。

※プレキャストコンクリート造:建築部材を予め工場で製作し、それを運搬して現場で組み立てる工法。在来工法に比べ、品質の均一化や省力化に繋がる
※LEED:「Leadership in Energy & Environmental Design」の略。建物の企画から施工、運営等の省エネ、環境負荷を評価する制度。プラチナから標準まで4段階の認証レベルがある

流山PJに関わるF&Pの技術者たち。複数棟を兼任する者も多く、信頼の厚いメンバーだ。