郡⼭中央SIC⾄近の広域物流・広域防災拠点 「福島郡⼭LLタウン棟」竣⼯のお知らせ
株式会社フクダ・アンド・パートナーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:福田 哲也、以下「当社」)は、福島県郡山市において開発を進めてきた物流施設集積パーク『福島郡山LLタウン』の、第一棟目『福島郡山LLタウン棟』が竣工したことをお知らせいたします。
本開発は、平常時に人の暮らしを支える「物流施設」と災害時に人の命を守る「防災機能」を併設する、環境配慮型の物流施設を核とした街づくりです。

福島郡⼭LLタウン…Logistics(⼈の⽣活を⽀える社会インフラである物流拠点)と Life-line(災害時に⼈の命を守る地域防災と広域防災連携拠点)という⼆つの意味を込めています。
物流施設のある街づくり
当社は、東日本大震災で72施設の物流施設の復旧・復興に携わった経験から、「物を届けること」は「人の命を守ること」だと痛感し、新型コロナウイルスのまん延により社会機能が停滞した際には、物流が人の生活を支える重要な社会インフラであることを再認識しました。これらの経験を経て、郡山市という物流の最適地に出会い、暮らしを支える物流インフラ作りとして、また、災害時には国のレジリエンスに貢献したいという想いから、『福島郡山LLタウン』開発を計画いたしました。
本開発は、当社のグループ会社である株式会社福島郡山LLタウンと、物流不動産の所有・運営・開発のリーディング・グローバル企業であるプロロジス(日本本社:東京都千代田区、代表取締役会長 兼CEO:山田 御酒、以下「プロロジス」)の共同開発となります。
当社は、事業企画から土地の取りまとめ、開発設計、施設設計・監理ならびに開発全体のプロジェクトマネジメントを担い、プロロジスの力を借りて開発を進めて参りました。
今回竣工した『福島郡山LLタウン棟』には、ヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:阿波 誠一 、以下「ヤマト運輸」)が入居し、『郡山ロジセンター』として利用して地域の物流を支えます。
1. 物流施設集積パーク『福島郡山LLタウン』
このたび2025年10月に竣工した『福島郡山LLタウン棟』および2026年10月に竣工する『プロロジスパーク郡山1』は、ともにヤマト運輸のBTS型物流施設(特定企業専用物流施設)となります。現在、E敷地が既に着工しており、CD敷地も2026年の着工を予定しています。2028年秋に物流施設集積パーク全体の完全完成を目標とし、開発を進めています。

開発事業者 | プロロジス (株)福島郡⼭LLタウン 共同事業体(出資⽐率 85%:15%) |
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プロジェクトマネジメント | (株)フクダ・アンド・パートナーズ (事業企画、土地取りまとめ、開発設計、施設設計・監理、地域防災連携調整業務) |
所在地 | 福島県郡⼭市⼤槻町中ノ平地内 |
交通 | 東北⾃動⾞道「郡⼭中央スマート」IC 近接/JR 東北本線「郡⼭」駅より 7.3km |
開発敷地⾯積 | 152,272.18 ㎡(46,062.33 坪) |
開発造成⼯事 | ⻄松建設(株) |
福島郡⼭LLタウン棟 (B敷地) |
敷地⾯積 | 21,015.47㎡(6,357.17坪) |
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延床⾯積 | 8,619.72㎡(2,607.46坪) | |
⽤途 | 倉庫業を営む倉庫 | |
構造/階数 | 鉄⾻造/地上2階建て(倉庫平屋・事務所2階) | |
環境性能 | BELS★6(最⾼ランク)取得、ZEB 認証取得 | |
設計・監理 | (株)フクダ・アンド・パートナーズ | |
建設⼯事 | ⻄松建設(株) | |
竣⼯ | 2025年9⽉16⽇(※着⼯ 2024年9⽉1⽇) | |
⼊居企業 | ヤマト運輸(株) ※拠点名称:郡山ロジセンター |
2.広域物流やBCP物流に最適な立地


東日本を守る物流と防災の要衝「郡山市」 ~広域物流や広域防災連携の最適地~
●太平洋と日本海を結ぶ重要な高規格幹線道路である磐越自動車道と東北自動車道が交わる「東北の交差点」。磐越自動車道が東西を結び、複数ルートの高速道路を活用することで、首都圏や北陸圏、関西圏への輸送が可能。さらに、関西圏には磐越自動車道および北陸自動車道を使うことで首都圏を経由せずに物を運ぶことができ、
災害時を想定した際のリスク分散やBCP(事業継続計画)の観点からも主要な拠点となり得る。
※特に関東が被災した時には、常磐⾃動⾞道、東北⾃動⾞道、関越⾃動⾞道、上信⾃動⾞道の4つの⾼速道路を活⽤することが可能。
●新幹線・高速道路の陸路、福島空港の空路、小名浜港や新潟港からアクセスできる海路と、交通の要衝としてのファクターが揃う。
●平常時は物流拠点として郡山貨物ターミナル駅からの貨物輸送が可能であり、福島空港からは航空輸送、小名浜港からは海上輸送が可能。
●災害時にも陸海空の複数の交通手段から、物を運び、受け入れることが可能。
●陸上自衛隊 郡山駐屯地から近く、災害救助活動に連携して国のレジリエンスに貢献できる。


3. 災害⽀援協定の締結と各社の役割
2025年10月20日、当社と、郡山市、ヤマト運輸、プロロジス、NTT東日本株式会社 福島支店(所在:福島県福島市、支店長:大橋 真孝)の5者による「災害時における避難者支援・指定避難所等の協力及び物資等の緊急輸送等に関する協定」を締結しました。本協定は、『福島郡山LLタウン』を核として「人の暮らしを支える物流施設」と「人の命を守る防災機能」を融合させ、産官連携による地域防災を実現するものです。
当社は東日本大震災での経験から、災害時には予め役割分担と連携体制を決めておくことが重要だと痛感し、平時からの備えが地域や人を守ることに繋がるという信念のもと、5者で協議を重ね、協定締結に至りました。
今後、5者による継続的な防災訓練の実施で災害時に地域を守り、様々な専門性を持った企業や市と連携して、福島県内での広域防災連携や国のレジリエンスに貢献していきたいと考えています。


4.『福島郡山LLタウン棟』の機能
(1)地域を支える物流拠点:ヤマト運輸『郡山ロジセンター』の開設
ヤマト運輸が『郡山ロジセンター』として入居し、物流ネットワーク強化に貢献します。災害時は支援物資の受け入れを行い、避難所への支援物資配送機能を担います。また、併設するテナントや従業員向けの食堂は避難者の受け入れ場所として機能します。

(2)防災型リバーシブルビル®『福島郡山未来共創センター』の開設
福島郡山LLタウン棟は、当社が展開する、平常時はオフィスビル・災害時には避難所となる、防災型リバーシブルビル®『福島郡山未来共創センター』の機能を備えます。太陽光発電パネル・蓄電池、非常用発電機、V2Xシステムによる3次バックアップシステム(*1)を導入し、停電時でも電気が消えない施設を実現します。
また、当社のBCP倉庫を設け、当社社員250名×6日分の食料等備蓄品の保管をするとともに、グループ会社の株式会社スマイル・ブラザーズ・ジャパンが製造販売を行う、備蓄型・組立式・個室トイレ「ほぼ紙トイレ」の販売用在庫を保管します。災害時には、①施設の避難者へ備蓄食料・BCP災害備品の無償提供 ②ヤマト運輸と連携し「ほぼ紙トイレ」や備蓄食料・BCP災害備品を被災エリアへ配送します。
*1:①太陽光発電と蓄電池による再⽣可能エネルギーの活⽤、②72時間発電可能な⾮常⽤発電機、③株式会社エナジア(本社:福島県郡⼭市、代表取締役:⽩⽯ 昇央)が提供する、EV・FCVから建物へ給電できる「V2Xシステム」の導⼊により、三重 での電⼒確保を実装します。
(3)環境配慮:BELS6つ星・ZEB認証取得
建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の最高ランクである6つ星および『ZEB』認証を取得。太陽光パネルと蓄電池を設置することで、再生可能エネルギー100%での施設運営を実現します。
当社は、『福島郡山LLタウン』の開発を通じて、災害に強く環境に配慮した「暮らしを支える物流」の実現に取り組んでまいります。これにより、地域社会とともに豊かで安心な未来創りに貢献するとともに、災害時には国のレジリエンスにも貢献してまいります。
5. フクダ・アンド・パートナーズにとっての『福島郡山LLタウン』の機能
(1)フクダ・アンド・パートナーズのBCP(事業継続計画/Business Continuity Plan)
東京と仙台の同時発災リスクが極めて低いという見解から仙台を本社機能の代替地として選定。災害のリスクが低く、さらに広域防災連携と物を運ぶ機能を複数選択できる立地評価から郡山をBCPの第二拠点として選定。『福島郡山LLタウン棟』の開設により、ヤマト運輸の物流ネットワークの力を得て、当社の西日本事業部(大阪市中央区)・中部事業部(名古屋市中村区)へBCPの災害時支援機能カバーエリアを拡大し、当社社員への支援物資供給体制を強化します。

(2)各拠点の機能と役割
■仙台長町未来共創センター
・本社機能の代替施設+BCP倉庫
(首都圏災害時には経営執行の拠点を仙台へ移動)
・社員250人×6日分の備蓄食料等を備蓄
・株式会社丸和運輸機関の輸配送網を活用し、首都圏災害時には仙台から東京への
物資配送手段を確保
■福島郡山未来共創センター
・フクダ・アンド・パートナーズの広域BCP第二拠点
・社員250人×6日分の備蓄食料等を備蓄
・ヤマト運輸の輸配送網を活用し、災害時には郡山から本社/東日本事業部/
西日本事業部/中部事業部へ物資を配送する広域エリア配送拠点
①災害時には、複数の輸送手段(陸路:新幹線+日本貨物鉄道+4つの高速道路/空路:福島空港/海路:小名浜港)を活用した広域物資輸送が可能な重要拠点となる。
②子会社のスマイル・ブラザーズ・ジャパンの「ほぼ紙トイレ」の在庫拠点として機能し、ヤマト運輸の輸配送網を活用して全国への配送を委託。災害時には主に福島県内ならびに郡山市内の被災エリアや、当社の全国の拠点へ支援物資として配送(能登半島地震では多数の納品実績あり)。
③グループ会社の株式会社香村アグア(本社:福島県伊達郡桑折町)が生産する米・水などを、ヤマト運輸の輸配送網を活用し全国への配送を委託。災害時には被災エリアへ支援物資として配送。
フクダ・アンド・パートナーズ 企業概要
事業内容 | コ・ソーシング事業(設計監理/PJM/PM/不動産サービス)/社会課題解決型事業 |
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売上 | 118億(2025年9月期) ※創業以来増収増益基調で成長 |
創業 | 2002年1月 |
人員 | 215名(2025年9月期) |
特長 | 物流施設作りの設計やプロジェクトマネジメントで東京ドーム534個分の延床面積累計実績 |
外部評価 | ・経済産業省「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定 ・内閣官房「国土強靭化・民間の取組事例」に仙台長町未来共創センターが選定 ・EcoVadis(フランスの国際的なサスティナビリティ評価機関)ESG評価62点ブロンズ |