2017年8月取材

両備ホールディングス株式会社
両備トランスポートカンパニー
執行役員 カンパニー長 田邉 学
※役職は取材時のもの

ミャンマーで4温帯管理できる
冷凍冷蔵倉庫建設を
プロジェクトマネジメント

国の補助金制度の費用対効果の検討も担当

施設を建設された目的とプロジェクト概要を教えてください。

以前からミャンマーとの縁があり、自社が得意とする交通・運輸分野の事業を検討したこともありましたが実現には至りませんでした。そんななか、近年の経済活性化に伴う経済特区(ティラワSEZ)の整備を受け、ティラワ進出の機会を得て、アジアでのコールドチェーン網確立に向け、自社としてホーチミンに次ぐ2番目の冷凍冷蔵倉庫を建設することを決めました。土地は2期分の広さがあり、まずは1期として2階建て約3万5000㎡の倉庫(うち冷凍冷蔵約4400㎡)を計画しました。様々な温度管理のできる冷凍冷蔵庫を整備することで、より付加価値の高い農水産物の輸出入が可能になり、ミャンマーの産業発展に寄与し、人々の暮らしを少しでも豊かにできれば本当に幸いです。

冷凍冷蔵倉庫の外観

(左)内部のトラックバース(エアシェルター)
(右)内部のドライ倉庫

F&Pへ依頼したきっかけは。

両備グループとしては、今後の海外拠点整備拡大を見据え、より良質な物流施設のプロトタイプを建設したいと思い、同業の物流会社様の紹介で物流に特化した建設サービスを展開しているF&Pに依頼することにしました。

施設の特徴、また期待される効果を教えてください。

本施設は、2階建て約3万5000㎡の倉庫ですが、倉庫部分は4温度帯(常温・定温・冷蔵・冷凍)。冷凍:2000㎡、冷蔵:2400㎡、定温:1200㎡、常温:約1万5000㎡、定温:1200㎡となっています。2階へはone wayのスロープでアクセスでき、1・2階合わせて50台以上のトラックが接車できるようになっています。また、複数の事務所を分散設置し、将来的な倉庫のテナント貸に対応できるようになっています。冷凍冷蔵設備は、高効率でフロンを使用しないシステムを採用し、環境省が進める二国間クレジット制度(JCM)を利用した補助金事業として認可を受けています。

  

F&Pがプロジェクトマネジメントを担ったことで、どのようなメリットがありましたか。

今回、F&Pには基本計画、設計施工会社の選定、設計監修、工事監修を依頼しました。基本計画のフェーズでは、仕様決定のプロセスが見えるように整理され、スピーディな意思決定に繋がったと思います。業者選定のフェーズでは、ゼネコン対応をすべてお任せし、見積もりと内容の精査など適正価格に向けた対応を重ねていただき非常に助かりました。今後の工事監修のフェーズにおいても信頼しており、良質な冷凍冷蔵倉庫ができると確信しています。

From 担当者

執行役員
国際事業本部
副本部長
野田 紫朗
(役職:2018年10月現在)

ミャンマーでも類を見ない大規模な冷凍冷蔵倉庫建設にあたり、お客様からは特に、①床精度 ②結露防止 ③埃・虫対策を重視してほしいというご要望がありました。その点につき、設計段階から施工段階まで、お客様と施工者とともに細部にわたる協議を重ね、タイミングがずれることなく「確認」「指示」などを徹底できました。俊工時にはお客様から感謝の言葉をいただけたことで、今後のミャンマーでの業務展開に自信を深めています。