2016年2月取材

生活協同組合連合会
コープ東北サンネット事業連合
常務理事 河野 敏彦
※役職は取材時のもの

コープ東北ドライ統合物流センター
ニーズを的確につかみ短納期実現

わずか13ヵ月で完成させた東北六県の組合員に
“幸せ„を届ける最先端物流施設。

センターを建設された目的について教えてください。

建設の目的は、これまで宮城県内4ヵ所に分散していた、東北6県向け物流センターを統合するためです。これにより、物流の効率化やインターネット時代のサービス改善に貢献できる施設となります。

『Happy&Thanks』をセンターのスローガンとしています。これができた経緯を教えてください。

この『Happy&Thanks』は、同施設の建設に先立つ2013年、F&Pなど関係企業が参加したマテハン先進地域である北欧視察の際に起案されました。現地で訪問したセンターが掲げていたスローガンに感銘を受け、当方にも取り入れたいと考えた案が『Happy&Thanks』です。

『Happy&Thanks』にはどのような想いが込められているのですか。

このスローガンのHappyは、生協の理念である「組合員に幸せを届けよう」という働く人々へのメッセージが込められています。働く心構えを表しています。一方のThanksは、「ご協力いただくすべての皆様への感謝」を意味しており、常に感謝の気持ちを忘れずに仕事をすすめていきたいという思いが込められています。

鳥瞰写真
「Happy&Thanks」の看板

施設の特徴を教えてください。

さまざまな専門分野の方々がチーム一丸となって開発プロジェクトを推進した証として、施設のエントランスホールに代表の方々の手形をサインボードに納めて掲載しています。また、2階倉庫の壁面には、これからこの施設で働く従業員の皆さんの手形サインボードも掲載しています。さらに、施設の1階、2階各所には『Happy&Thanks』のタペストリーを設置しています。このタペストリーは、世界的な建築家「アントニオ・ガウディ」のデザインを参考にしたものです。無機質な空間を豊かにするアクセントとしての役割を果たします。

1階倉庫
南東側外観全景

この施設は、F&Pによりどのような工夫が施されていますか。

震災後に計画されたこの施設は、東日本大震災クラスの災害を意識して設計されています。当施設は、強固な地盤に支えられ、地震に強いことから、災害時の拠点にしたいとの要望がありました。これを受け、F&Pの提案により、非常用発電設備を設けるなど、事業継続計画のうえでも優れた設計となっています。また、環境への配慮として、屋根一面の太陽光発電システム・全館LED照明も設置しています。さらに将来、システム変更ができるよう空間を広くとり、汎用性の高い設計としています。

F&Pに委託したことで、どのようなメリットがありましたか。

前回建設した、「コープ富谷共同購入物流センター」で、F&Pとは設計ノウハウを共有していました。そのため、休憩室や事務所などのニーズも実施設計の前に把握でき、プランニングや建設コスト、および事業収支の検討をタイムリーに行えました。その結果、希望納期より早く竣工することができました。震災復興により、建設コストが高騰する恐れがあったため、スピードを重視して事業を進めてきましたが、F&Pの迅速な対応により建設コストも抑えられ、高い機能をそなえた施設を実現することができました。

3階倉庫
2階休憩室
2階倉庫
From 担当者

専務取締役
設計・建設支援本部
本部長
山田 裕一
(役職:2020年7月現在)

この物流施設は、当社が設計・監理 を受託し、2011年の東日本大震災の年に無事竣工稼働した「プロロジスパーク富谷2/コープ富谷共同購入物流センター」の隣接地に引き続き、当社が設計・監理を受託したものです。
自然エネルギーの利用として屋根全面に1MWの太陽光発電設備を配置しています。これにより、屋根面の直射日光を遮断することでの断熱効果により、最上階の庫内環境の改善を図っています。また、環境への配慮として全館LED照明の採用によりCO2排出の削減に寄与し、BCP対応として自家用発電設備を設置。「環境配慮型BCP対応物流センター」として、災害時でもセンター運営が可能な施設となっています。